岐阜県|旬の食材|
南濃みかん|早生以外は熟成させてから正月明けから出荷

旬の“おいしい”をレポート!
☆12月の食材☆

みかん

取材産地/海津市

ミカン科カンキツ属。
温州(うんしゅう)みかんは江戸時代初期から栽培されています。早生、紀州、ポンカン、デコポンなど、品種はさまざま。ビタミンC、ペクチン、カロチンを豊富に含み、水分を75%ほど含んでいるため、喉を潤すことができます。

海津市で収穫できる南濃みかん
岐阜県海津市/南濃みかん(©️SAKURA編集部)

生育環境が整った南濃地域のみかん。いったん貯蔵庫で熟成。甘みとコクが出てきた頃に出荷

養老山地の山麓に広がる扇状地で作られる南濃みかん。ここはもともと松林だった場所です。養蚕業が盛んな時代に桑畑となり、明治5年にみかん栽培が始められたことをきっかけに、開墾によって一気にみかん生産が広がりました。

緩やかな傾斜面のため、畑全体に日光が当たりやすく、また、夏は早い時間に日が陰るため、異常高温になりません。畑は石がらが多く水捌けが良いため、良質なみかんが育ちます。

11月は早生みかんの収穫と出荷が行われ、それ以外のみかんは雪が降る前に全て収穫し、一旦、貯蔵庫で保管されます。貯蔵庫でみかんを寝かせることで酸味が減り、甘みとコクが引き立つことでおいしさが増します。近年はさらに甘みの多いみかんが生産できるため、かつてより濃厚な味わいのみかんを食べることができます。

貯蔵庫に保管されたみかんは正月明けから3月末まで徐々に出荷。時期をずらして販売することもできるので、消費者に喜ばれています。

JAにしみの 南濃みかん部会の部会員は102名。代々の畑を受け継ぎながら生産されている方が多くいます。後継者不足や栽培面積の減少による課題を抱えながらも、「おいしいみかんを食べたもらいたい」との思いで、勉強会や目揃会で品質向上を目指し、また、ドローンによる農薬散布実験など、作業の効率化に挑戦しながら歴史の長い南濃みかんづくりが守られています。

みかん畑からの風景
みかん畑からの景色(©️SAKURA編集部)
名古屋市まで見渡せるみかん畑の風景
みかん畑からは名古屋駅前のツインタワーがはっきり見える。天気が良いと白山、御嶽山、恵那山まで見える。(©️SAKURA編集部)
みかん畑の様子
養老断層の扇状地に広がるみかん畑。日光の当たり具合もちょうど良い。(©️SAKURA編集部)
養老断層の扇状地に広がるみかん畑
山の裾野にみかん畑が広がっている場所は養老断層の扇状地(©️SAKURA編集部)
南濃みかん
大きく、美しく実るみかん。この状態から約1ヶ月後に収穫がされる(©️SAKURA編集部)
南濃みかんのほ場
先人が整備した畑は水はけが良い (©️SAKURA編集部)
集荷された南濃みかん
11月上旬から出荷される早生みかん(©️SAKURA編集部)
みずみずしい南濃みかん(©️SAKURA編集部)

”みかん”まめちしき

みかんの皮についている白い筋は「アルベルト」。みかんの繊維束で、ビタミンPと呼ばれるビタミンが含まれています。血行を促進させる働き、また、ビタミンCと一緒に摂ると毛細血管を強化する働きがあると言われています。みかんを食べ過ぎると手が黄色くなるのは、体内で増えたカロチンが汗と一緒に出てくるため。自然と消えていきます。

JAにしみの 南濃みかん部会部
会長 飯田 多加弘 さん(©️SAKURA編集部)

生産者紹介

JAにしみの 南濃みかん部会部会長
飯田 多加弘 さん

60歳を過ぎてから本格的にみかんづくりに取り組まれている飯田多加弘さん。代々、受け継がれてきたみかん畑は飯田さんで3代。子どもの頃には親戚みんなで収穫をしていた記憶も残っているそうです。「開墾や石垣づくりなど、先人の苦労があってこその今。南濃みかんのブランドを守っていきたい」と飯田さん。多くの人に喜ばれるみかんを生産するために、尽力されています。

取材協力/JAにしみの 南濃みかん部会、JAにしみの、JA全農岐阜 園芸販売課
058-276-5305 (JA全農岐阜 園芸販売課)

※情報はページ上の更新日現在のものです。取材時と一部内容が異なる場合があります。

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SAKURA編集部_Akiko.Iです!地元の美しい風景、四季の移り変わり、ワクワクなイベントを探求、発掘していきます。

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