旬の“おいしい”をレポート!
☆6月の食材☆
てん茶[碾茶]
取材産地/揖斐川町
てん茶用に被覆を被せたお茶の木から摘まれた茶葉を蒸して乾燥させ、軸を外した状態まで加工した茶葉。煎茶と異なるのは揉みの工程がないところ。てん茶は茶商に出荷され、微粉に二次加工され、袋に詰められて消費者に届けられる。同じ読みの「甜茶」とは異なる。
茶木栽培から茶葉の加工まで 安心・安全にてん茶を生産
揖斐郡揖斐川町は戦前からお茶が栽培されている地域です。昭和53年度に「桂茶生産組合」が設立されてから組合員が一丸となり、生産拡大、品質向上に努めています。
さまざまなお茶の原料となる荒茶のうち、平成3年度からてん茶の生産にも取り組んでいます。てん茶にする茶木には、摘採前に2〜3週間ほど被覆資材が被せられます。被覆で遮光することで、渋みが少ない、緑色が濃い良質な茶葉が摘採できるからです。同組合のてん茶は茶商から好評で、例年、全生産のおおむね50%をてん茶の生産にあてています。
てん茶は出荷までに数々の工程があります。例えば、摘採までに大量の肥料を数回に分けて撒き、収穫した茶葉は24時間以内に工場で加工します。工場ではさまざまな機械を使って蒸しから乾燥までが行われ、出荷となります。
加工は機械に任せることになりますが、茶葉の状態やその日の気候に合わせた微妙な調整が必要で、「茶師」による経験と感覚によって、安定した品質のてん茶を出荷することができるのです。AsiaGAP(※)の取得をし、安全性にも配慮をしています。
今年は例年よりも早い4月23日から一番茶の摘み取りが始まりました。生産者個人の茶園のほか、現在、桂茶生産組合として農家から委託された茶園を管理していますが、この管理茶園が年々増えており、地域の方の協力を得ながら、毎年、品質向上を目指して、てん茶生産に取り組んでいます。
※農作物の安全、環境への配慮などについて、外部審査機関により認証される「JGAP」の内容に加えられた、国際規格としてアジア共通のGAP。
生産者紹介
農事組合法人 桂茶生産組合
組合長 長柄澄男さん
工場長 太田哲朗さん
先代の茶園を受け継ぎ、会社勤めをしながらお茶栽培をされてきた長柄さん。お茶栽培に専念してから工場での加工も経験し、生産者、茶商、消費者、お茶に関わるすべての人にとってベストなお茶を生産するために、桂茶生産組合をとりまとめています。
太田さんは生産者でもあり、工場では茶師として、入荷された茶葉の状態を判断して、温度や時間などを微妙に調整して、高品質のてん茶や煎茶に仕上げています。
ここで飲める!食べられる!美濃いび茶直売所「いび茶の里」
岐阜県揖斐郡で栽培されたお茶を販売。新茶の茶葉の販売や、カフェではいび茶アイスクリームなどを提供され、美濃いび茶 の魅力を発信しています。
取材協力/農事組合法人 桂茶生産組合、JA全農岐阜 園芸販売課
058-276-5305 (JA全農岐阜 園芸販売課)
この記事を書いた人
SAKURA編集部_Akiko.Iです!地元の美しい風景、四季の移り変わり、ワクワクなイベントを探求、発掘していきます。
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