岐阜県|旬の食材|
飛騨ほうれんそう|夏に収穫される高冷地のほうれんそう

旬の“おいしい”をレポート!
☆5月の食材☆

ほうれんそう

取材産地/高山市

アカザ科・西アジア原産
古くからは葉に切れ込みが入った特徴がある東洋種が主流だったが、現在は葉が丸い西洋種と優れた点をかけ合わせた品種、また、えぐみが少ない品種や夏場にも生産できる品種が出回っている。栄養は他の野菜と比べて、鉄分、ビタミンCが豊富に含まれている。

岐阜県高山市/飛騨ほうれんそう(©️SAKURA編集部)

雪の降らない春、夏、秋が飛騨地方のほうれんそうシーズン。新鮮な空気と清らかな水で育つえぐみが少ないほうれんそうです

JAひだ管内の高山市、飛騨市、下呂市は夏ほうれんそうの一大産地として全国に知られています。飛騨蔬菜出荷組合ほうれんそう部会の304名が栽培面積181ヘクタールのほ場で、生産量約190万ケース(約6千900トン)のほうれんそうを出荷しています。

飛騨ほうれんそうの特徴は標高600m〜1000mの昼夜の寒暖差が大きい環境の中で育つため、肉厚で柔らかい葉になること。防虫ネットを使用するなど、害虫対策をしながら雨よけハウスで安心・安全なほうれんそうが栽培されています。

シーズンの始まりは雪解け後、雨よけハウスにビニールをかけるところから。今年は気温の上昇が早かったため播種は例年より2週間ほど早く、3月上旬から行われたそうです。期間中は播種から収穫までを4〜5回繰り返し、雪が降る前の12月上旬頃まで出荷が続きます。

葉物野菜が少なくなる時期に出荷される貴重なほうれんそうのため、中京圏だけでなく、関西、関東の市場にも出回り、家庭用にはもちろん、コンビニのお惣菜や給食などの業務用としても求められています。

生産者の高齢化による出荷量の減少が心配されますが、全国からの需要に応えられるようにと、部会全体が協力をしながら出荷量を減らさない工夫をされています。また、市場からの評価が高いのは、生産者の丁寧な作業があってこそ。土づくり、水の管理、収穫から出荷用の袋詰めまで心をこめて作業をされています。

中谷さんのほ場の様子。最も長い雨よけハウスで80mもあり、シーズン始めのビニール掛けとシーズン終わりの取り外しは大変な作業になります(©️SAKURA編集部)
豊かな自然の中にあるほ場で育つほうれんそう(©️SAKURA編集部)
播種から収穫までは約30日〜40日かかります。出荷量は5月がピークに (©️SAKURA編集部)
水の管理も徹底されている。ほ場横に備えられたチューブから潅水が行われます(©️SAKURA編集部)
生産者の名前入りの包装で店頭に並べられる飛騨ほうれんそう(©️SAKURA編集部)
ほうれんそうの三食丼
(©️SAKURA編集部)

生産者の中谷さんおすすめ、飛騨ほうれんそうの食べ方

[三色丼]
茹でて小さく刻んだほうれん草と炒り卵、ひき肉のそぼろをご飯の上にのせてどんぶりで。

その他、シンプルにおひたしに好きな出汁をかけて食べるとほうれんそうの味がしっかり分かります。シフォンケーキなど、スイーツにするのもおすすめです。

飛騨蔬菜出荷組合ほうれんそう部会 部会長
中谷賢栄さん(©️SAKURA編集部)

生産者紹介

飛騨蔬菜出荷組合ほうれんそう部会
部会長 中谷 賢栄 さん

雨よけハウス約120本、広大な面積でほうれんそうの生産をされている中谷さん。堆肥を一年ねかせて有機質の多い土づくりをされるなど、おいしいほうれんそうを食卓に届けるための努力を惜しみません。
収穫シーズンは早朝から収穫作業、作業場で袋詰めなどの出荷準備を行い、再び夕方に収穫作業、夕方以降も出荷準備に追われるという多忙な1日を送ります。「豊かな自然の中、おいしい空気と水で育ったほうれんそう、ぜひ食べてみてください。」

取材協力/飛騨蔬菜出荷組合ほうれんそう部会、JAひだ、JA全農岐阜 園芸販売課
058-276-5305 (JA全農岐阜 園芸販売課)

※情報はページ上の更新日現在のものです。取材時と一部内容が異なる場合があります。

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SAKURA編集部_Akiko.Iです!地元の美しい風景、四季の移り変わり、ワクワクなイベントを探求、発掘していきます。

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