旬の“おいしい”をレポート!
☆1月の食材☆
ほうれんそう
取材産地/岐阜県岐阜市
原産は西アジア付近。ペルシャで栽培されていたほうれんそうはヨーロッパ方面と中国方面で栽培が広がり、それぞれ、西洋種、東洋種として改良されていきました。日本へは江戸時代に中国から東洋種が伝えられ、後に西洋種も伝えられました。栄養価が高く、鉄分、ベータカロチン、ビタミンCなどが豊富に含まれています。
岐阜県内では、夏から秋にかけて飛騨地域で、冬から春にかけて岐阜市を中心に生産されています。
肉厚でおいしいほうれんそうが育つ、砂地の露地栽培
戦後間もない頃からほうれんそうづくりが行われている岐阜市島地区は、長良川が運んできた肥沃な砂地が広がる、農業が盛んな地域です。ほうれんそうは露地栽培されており、冬から春にかけて寒さに耐えながら育った、肉厚で甘みのあるほうれんそうが出荷されています。
近年は地球温暖化の影響を受け、今年は10月にも猛暑に見舞われるなど環境の変化による、生産者にとって厳しい状況が続いています。そのため、岐阜市園芸振興会 ほうれんそう部会では新品種の栽培研究や新たな栽培技術を習得するなど、良質なほうれんそうを出荷できるよう、さまざまな努力をしています。
同部会の部会長、青木基代司さんは、朝露が乾く頃に収穫をし、収穫後は作業場で下葉を取り除くなどして、品質の良いほうれんそうを選び、丁寧に袋詰めをし、良質な商品として仕上げています。
昨年は同部会で10万ケース(1ケース3.6kg)を、岐阜、名古屋、北陸の市場へ出荷しました。「岐阜ほうれんそう」は、味はもちろん、アクが少ないため下茹でをしなくても気軽に食べられるのが特徴。販売店からも好まれ、栄養価が高い冬の緑黄色野菜として、食卓で食べられています。
卵とじ、ほうれんそうベーコン、鍋など、生産者それぞれがおいしい食べ方をお勧めしているのも興味深いところ。「寒風の中での作業は大変だが、多くの方に岐阜市のほうれんそうを食べていただきたい」と、同部会員130名がおいしいほうれんそうを生産しています。
青木さんおすすめの食べ方
ほうれんそうの豚(とん)しゃぶ鍋
好みの出汁で豚肉、とうふを茹で、カットした生のほうれんそうをしゃぶしゃぶしながら食べる鍋。シンプルな食べ方ですが、ほうれんそうのおいしさを味わえる鍋料理です。
生産者紹介
岐阜市園芸振興会 ほうれんそう部会 部会長
青木基代司さん
以前から週末は父親の農業を手伝っていたという青木さん。父親から受け継ぎ、本格的に農業に携わり始めてから10年が経ちました。冬はほうれんそう、夏は枝豆を出荷。おいしい野菜をたくさんの家庭に届けるために、丁寧な作業をされています。「体を動かすことで健康を保っているかもしれない」と、パワフルに冬の寒さを吹き飛ばし、島地区の伝統的なほうれんそう生産を続けています。
取材協力/
岐阜市園芸振興会 ほうれんそう部会、JAぎふ、JA全農岐阜 園芸販売課
058-276-5305
この記事を書いた人
SAKURA編集部_Akiko.Iです!地元の美しい風景、四季の移り変わり、ワクワクなイベントを探求、発掘していきます。
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