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明星輪寺

濃尾平野を見下ろす金生山の頂きに位置する古刹

「こくぞうさん（虚空蔵菩薩の愛称）」として親しまれている明星輪寺は、大垣市の北西端、標高217ｍの金生山の頂きに佇む古刹。朱鳥元年（686年）、持統天皇の勅願により創建され、本尊の虚空蔵菩薩が安置されました。本堂内には、こくぞうさんが大蛇に追われて逃げ込んだとされる伝説の大岩があり、この中には現在非公開の石仏の虚空蔵菩薩が祀られています。礼拝は本堂に安置されている御前立の虚空蔵菩薩の前で行う仕組み。
また、境内にある岩巣公園は奇岩が立ち並ぶ不思議な公園でパワースポットでもあります。

大蛇に追われたこくぞうさん伝説が生きる。大蛇にぐるぐると巻きつかれたようなくぼみがある大岩はパワースポット！

【大蛇に追われたこくぞうさん伝説】
むかし、赤坂山の虚空蔵(こくぞう)さんがまだ若いころ、諸国修行中に伊勢国でひとりの娘に好かれました。心は揺れたものの修行の妨げと逃げ出すと、娘は大蛇に化身して追いかけてきます。

途中、道傍で立小便をしたところ、草むらにいた大蛇に降りかかってしまって大変。怒る大蛇から逃げ、ついには赤坂山の岩の中に逃げこみましたが、大蛇は体でグルグルと岩を巻き、締めつけてきます。虚空蔵さんは謝り、権現さまとして自分よりも高いところに祀ると約束すると、大蛇は締めつけるのをやめたのでした。

【伝説の岩屋】
明星輪寺の本堂の奥には、虚空蔵さんが逃げ込んだといわれる岩が祀られ、絞めつけた蛇の腹跡のようなくぼみも岩に見ることができます。また、蔵王権現は本堂から少し上がった岩山（岩巣公園）の社に今も祀られています。

岩が創り出す自然のアート。アスレチック風パワースポット「岩巣公園」

明星輪寺の本堂脇からは、大垣市の名勝「岩巣公園」へ入ることができます。この公園は 大自然の巧みな造形によるカルスト台地の縮小版として、無数の奇石・怪石が群立した石灰岩質のカルスト地形を形成しています。

公園とはいえ、自然の岩がそそり立つ公園で、足場や散策道はあるものの、上り下りが激しい場所のため、運動靴などの歩きやすい靴で入りましょう。回る道は特に決まっていないので、体力や足場なども考慮して、行けるところを回ってみましょう。

岩巣公園全体がパワースポットとされていますが、おすすめは、アスレチック気分で楽しめる「くぐり岩」と「屏風岩」です。また、展望台からの濃尾平野の眺めも爽やかです。

ちなみに金生山は東西1km、南北2kmの丘陵。石灰層の山で、今も石灰が採掘されています。 金生山一帯は約2億5千万年～3億5千万年前の海底古生物の推積が地殻変動によって隆起した土地。ここで見られる 隆起石灰層 には多くの化石が含まれており、内陸の大垣が太古は海底にあったことを示しています。

岩巣公園では、岩の間に点在自生するヒトリシズカなどの植物や、この地方にしか生息しないクロダマツクチムシオイ、オルサトギセルなど40種類の陸貝を見ることができる自然岩公園です。また、これら貴重な陸貝だけでなく、ヒメボタルの生息地としても知られています。