旬の“おいしい”をレポート!
☆2024年12月の食材☆
飛騨一本ねぎ
取材産地/高山市
食材名の豆知識
ユリ科
原産は中国西部、中央アジア北部と言われ、日本には8世紀頃に入ってきた。関東地方では「白ねぎ」、関西地方では「青ねぎ」が栽培されることが多く、品種は下仁田ねぎや九条ねぎなど、地域名がつけられることが多い傾向です。独特な香りは硫化アリルを含んでいて、体温上昇を進め、殺菌作用があることから風邪予防によいとされています。
生産者の「めちゃうまっ!」の衝撃が、ねぎづくりの原動力に
飛騨地方では、11月〜12月頃の初冬に収穫する根深系の「飛騨一本ねぎ」が伝統的に栽培されています。春の播種から初冬の収穫まで、何回も土寄せ作業をしながらじっくり育てることで太くなり、栄養と糖度が蓄えられて雪が積もる前の寒さにあたることで甘みと粘り気が増し、食べ応えのあるおいしいねぎに仕上がっていきます。
生産者の一人、下本大吾さんは昨年、飛騨一本ねぎを食べた瞬間に「めちゃうまっ!」と衝撃を受け、「飛騨一本ねぎをつくりたい!」と思い立ち、今シーズン初めての生産にチャレンジしています。先輩からアドバイスを受けたり、作業機械を借りたり、周囲の支えを受けながら飛騨の伝統野菜のおいしさを伝えたいと、規模の拡大も考えながら生産しています。
収穫までの栽培期間が長く、収穫後も数日間、乾燥させた後に下葉をとって丁寧に袋詰めするなど、商品として出荷するまでに作業量が多く、手間がかかる作物です。露路栽培のため、天候にも気を使いますし、急な積雪があるとねぎ自体が折れて、それまで大切に育ててきたねぎが出荷できなくなることもあります。
大変だと分かっていながらも下本さんがねぎ生産に挑戦する理由は、メインで生産しているトマトのピークとずらして作業ができることと、耕作放棄地を利用して地域の雇用に繋げることができるなど、農業の可能性を感じているからです。そして、なによりも飛騨一本ねぎのおいしさを伝えたいという思いがあるから。これからの季節、鍋に入れて主役にもなれるねぎです。
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飛騨一本ねぎ 生産DATA
主な出荷先/岐阜県、中京、関西
栽培スケジュール/3月[播種・育苗]→ 5月[定植]→ 6〜11月[数回の土寄せ・追肥]→ 11月〜12月[収穫・出荷のための調整作業]
生産者紹介
高山南蔬菜出荷組合特産部会
下本 大吾さん(株式会社下本農園)
トマト農家の手伝いをしたことで、トマトの生命力や農家のプロの技を目の当たりにし、自分もやってみたいと6年前に就農。先輩のアドバイスを受けながらトマトをメインに、規模を拡大しつつ飛騨高山の農業を支えています。
「かつての農業のイメージは変わりつつある。スタートアップがしやすい職業なので、いろいろなことにチャレンジしていきたい。夢のある仕事です」と力強い言葉。飛騨一本ねぎについても、可能性がある農作物として課題を乗り越えながら飛騨伝統の野菜づくりに取り組んでいます。
取材協力/高山南蔬菜出荷組合特産部会、JAひだ南大野事業所、JA全農岐阜 園芸販売課
058-276-5305 (JA全農岐阜 園芸販売課)
飛騨一本ねぎを味わう!
炭焼きにしたり、鍋に入れたり。まるごと食べて、飛騨の自然の中で育ったねぎの甘味を感じてみよう!
この記事を書いた人
SAKURA編集部_Akiko.Iです!地元の美しい風景、四季の移り変わり、ワクワクなイベントを探求、発掘していきます。
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