旬の“おいしい”をレポート!
☆今月の食材☆
フルティカ
取材産地/岐阜県海津市
ペルー原産のトマトは江戸時代初期に、中国を通って長崎に伝えられたとされている。当時は薬用、または観賞用として育てられていた。日本で食用として広がったのはアメリカの品種。成分としては、ビタミンCのほか、カリウム、クエン酸、リコピンなどが含まれている。
皮が柔らかくて食べやすい甘みの強い中玉トマトです
冬春トマトの生産が盛んな海津地域では、10年ほど前から中玉トマトを生産しています。当初は数種類の品種を生産していましたが、味が良く、生産環境の相性が良いフルティカだけが現在も続けられています。
フルティカの生産スケジュールは大玉トマトとほぼ同じで、収穫時期は10月〜翌年7月上旬。気温が高くなる春に収穫のピークを迎えます。生長が早いので、ツル下げ作業を頻繁に行わなければならず、また、玉が小さい分、大玉トマトよりも色づきが早くて1房に実る玉数が多く、収穫に手間がかかります。
しかし、完熟する一歩手前で収穫できるため、しっかりと味がのった状態で出荷することができ、皮が柔らかく、食べやすいところが好評を得ています。フルティカの生産量はそれほど多くなく、海津市内の生産者も7名と、まだまだ希少。岐阜地域のスーパーで販売されているので、見かけたらぜひ、確かめて欲しいおいしさです。
生産者の一人、福島紳太郎さんは清潔なハウスの中でフルティカを土耕栽培しています。重量のあるトマトを傷つけないよう、気を配りながらツルを下げるなど、丁寧な作業で、ツヤのある高品質のフルティカを出荷しています。サラダにすると色鮮やかに食欲をかきたて、実際に食べてもおいしく、皮が口に残りにくいので、ほかのサラダ食材ともバランスよく食べることができます。福島さんも「フルティカの濃厚な味を堪能して」と、生産に力を入れています。
スープで食べようフルティカ
トマトのおいしさは生のまま食べて味わうのもおすすめですが、カットしたフルティカをコンソメスープや中華スープに入れて、温かくして食べても美味。他の具材との組み合わせも楽しめます。
生産者紹介
JAにしみの海津トマト部会
福島 紳太郎さん
冬春トマトの新規就農者を育成する「岐阜県就農支援センター」にて生産技術を学び、修了してから今シーズンで4作目になります。父親からほ場や技術を引き継ぎながら、同センターで研修を行うことで、さまざまな人から情報を得て、あらゆる角度から農業への取り組みを学ぶことができたとのこと。海津市産のトマトを支える若手生産者の一人として、活躍されています。
取材協力/JAにしみの海津トマト部会、JAにしみの海津集出荷センター、JA全農岐阜 園芸販売課
058-276-5305 (JA全農岐阜 園芸販売課)
この記事を書いた人
SAKURA編集部_Akiko.Iです!地元の美しい風景、四季の移り変わり、ワクワクなイベントを探求、発掘していきます。
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