旬の“おいしい”をレポート!
☆1月の食材☆
いちご
取材産地/本巣市
バラ科
野生のいちごは石器時代の頃から食べられていたとされ、現在のいちごは南アメリカ原産の品種と北アメリカ原産の品種が掛け合わせられ、オランダで誕生したとされています。日本へは明治時代から品種改良が始められ、全国各地で栽培、新しい品種の開発がされています。
天候の変動に対応しながら喜ばれるいちごをつくる
岐阜県では冬から春にかけて、平坦部を中心にいちご栽培が行われています。いちごの品種数は300以上あるとされ、全国各地でオリジナル品種の開発もされており、岐阜県には「濃姫」「美濃娘」「華かがり」の3種類があります。
中でも、2015年に品種登録された「華かがり」は栽培シェアとしては希少な品種ながらも、大きくて美しい円錐形でツヤのある紅色をしているため、存在感のあるいちごとして注目がされています。
篝火のような見た目が名前の由来にもなっており、長良川の鵜飼の篝火を思い起こさせるような、岐阜をPRする農作物としてもひと役買ってくれそうです。
華かがりは新しい品種のため、生産者は試行錯誤をしながら栽培技術を確立させようとしていますが、近年の気候変動により、予定通りにいかないことも多いそうです。日々変わる気候に対応しながらも、良質な苗づくり、ほ場の管理、花芽摘みなどの作業など、時間と手間をかけていちごを栽培されています。
華かがりは見た目だけでなく、酸味と甘みのバランスが良く、果汁たっぷりでジューシーな特徴もあります。
収穫された華かがりはいちごパッキングセンターで品質を揃えてパッキングされ、主に岐阜地域、北陸地方に出荷されます。岐阜県園芸特産振興会いちご部会の部会長、村瀬巧憲さんは「華かがりは可能性を感じることができるいちご。年明けにも大きなものが収穫できるので、贈答用やお土産用にもおすすめできます」と、消費者に喜ばれるいちごづくりをされています。華かがりの出荷は5月まで続きます。
岐阜県で開発された3品種“岐阜いちご”
岐阜県は30年以上前からいちごのオリジナル品種の研究に取り組んでいます。平成27年に華かがりが品種登録される以前は、平成10年に濃姫(のうひめ)、平成19年に美濃娘(みのむすめ)が登録されています。
それぞれ特徴があり、濃姫は甘みが強くて大粒、美濃娘は色つやが良く硬めで食べ応えがあります。スイーツの素材としても地元のスイーツ店に喜ばれている岐阜いちごです。
華かがりをお餅と一緒に食べられる「華かがりいちご餅」
「金蝶園総本家」では、大きな華かがりが丸ごとやわらかなお餅で包んだお菓子「華かがりのいちご餅」を販売しています。いちごの甘酸っぱさと白餡のやさしい甘さのバランスがちょうど良い、ジューシーなお菓子です。
金蝶園総本家 大垣駅前本店
岐阜県大垣市高屋町1-17
Tel.0584-75-3300
生産者紹介
JA岐阜県園芸特産振興会 いちご部会
部会長 村瀬 巧憲 さん
農業を営む両親の跡を継ぎ、いちごの栽培は20年以上を経験。美濃娘と濃姫の栽培と、華かがりは品種登録以前から栽培を続けています。そして、岐阜県をいちごの生産地として盛り上げていこうと、生産者による勉強会や岐阜いちごのプロモーションなどの活動もされています。また、本巣市地域のいちご農家で立ち上げた生産法人「株式会社本丸いちご本圃」にて、生産力の強化や技術継承を行っています。
取材協力/岐阜県園芸特産振興会いちご部会、JA全農岐阜 園芸販売課
058-276-5305 (JA全農岐阜 園芸販売課)
この記事を書いた人
SAKURA編集部_Akiko.Iです!地元の美しい風景、四季の移り変わり、ワクワクなイベントを探求、発掘していきます。
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