旬の“おいしい”をレポート!
☆2025年9月の食材☆
夏秋なす
取材産地/恵那市
茄子の豆知識
ナス科ナス属
インド原産地。奈良時代、中国より日本に渡来し、江戸時代後期には縁起物の野菜として人々に周知されてきました。ナスの皮に含まれるアントシアニン系色素の一つ「ナスニン」と呼ばれるポリフェノールが豊富で抗酸化作用が強く老化や生活習慣病対策にも効果が期待できます。

アクが少なくまろやか!どんな調理でも美味しい万能品種 『千両2号』
木曽山脈(中央アルプス)の最南端にある恵那山と笠置山、高根山、三国山などの複数の山の麓から中腹にかけて「中山間地」と呼ばれる農地にて栽培されている「夏秋なす」。9月には最盛期を迎える東美濃地域の「夏秋なす」は、標高の高さからくる昼夜の寒暖差と、ミネラルを多く含んだ恵那山脈からの清流により、艶のある良質な果実へと生長していきます。
『東美濃夏秋なす生産協議会』では、中長茄子の代表品種「千両2号」が主流。協議会に属している西尾さんが生産されている茄子は、濃い黒紫色の艶やかな長卵形で、その実はふっくら肉厚で引き締まっており、アクが少なくまろやかな味わいが特徴です。
夏は柔らかく、秋になるとさらに引き締まった実になる「夏秋なす」は、秋の終わりにできる小さな実もお漬物としてピッタリな味わいで楽しめると西尾さんは言います。
4月に『JAひがしみの』より病害虫に強い品種に接ぎ木された苗を購入し、5月に広さ880㎡の本圃(ほんぽ)へ定植。6本仕立てに成形された茄子の樹は、6月には順次花がつき果実が着実に実っていきます。6月下旬に第1回目を収穫、朝4時から7時まで470本ほどの茄子を収穫し、10時には選果場へ出荷されています。
この収穫サイクルは、11月下旬まで繰り返し、西尾さんの茄子苗は1本の木に対して1シーズン約200本以上の茄子を収穫します。
本圃にて一つずつ丁寧に定植された茄子苗は、毎日手入れされ、水や肥料の調整をその都度行っています。
手を掛けただけ素直に答えてくれる植物は、その都度新しい発見があり、勉強になるという西尾さん。今年で3年目を迎える夏秋なす栽培は、「美味しい茄子、良い茄子を作りたい」という想いで、茄子づくりに取り組まれています。
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ひがしみの夏秋なす生産DATA
生産量/75トン(R6年)
栽培面積/1.4ha(R6年)
協議会員/30名(R7年)
主な出荷先/岐阜、京都
栽培スケジュール/5月定植→6月~11月収穫

毎日が試行錯誤の繰り返し。最終的には一人で管理ができる量、質を目標に、安全・安心な栽培を心がけています。

生産者紹介
東美濃夏秋なす生産協議会
西尾 善文さん
公務員と農家の兼業で営んでいた西尾さんは、定年退職を迎えた2年後に『JAひがしみの』さんの勧めもあり、比較的初期投資に費用がかさまない「夏秋なす栽培」に着手。詳しいノウハウを日々学ぶなど、積極的な姿勢で農業に向き合っています。
取材協力/東美濃夏秋なす生産協議会、JAひがしみの、JA全農岐阜
058-276-5305
JAグループさんに聞いた♪美味しい「夏秋なす」レシピ
なす丼
材料(2人前)
- なす……3本
- 卵………2個
- 片栗粉…適量
[A]
- 醤油…………大さじ2
- みりん………大さじ1
- おろし生姜…適量
作り方
①ボウルに沸騰したお湯を入れ、卵を殻のまま入れ15分ほどおく。
②なすは1cmの輪切りにし水でさらし、ペーパータオルで水分をふき取る。
③ビニール袋に②と片栗粉を入れ、ビニール袋の口を絞り振ってまぶす。
④フライパンに油をしき、③を両面焼く。
⑤キッチンペーパーでフライパンの余分な油をふき取り、[A]を加え煮からめる。
⑥ご飯の中央に温泉卵を割り入れ、⑤のなすを周りに盛り付け、好みでネギやゴマ、のりなどを散らして完成!

この記事を書いた人

SAKURA編集部の_Yumi.Sです。
趣味は、水泳、読書など。地域に根差した役に立つ情報をわかりやすく、お伝えできたらと思います♪
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