色とりどりの花が咲き乱れるお花畑と、大パノラマが広がる岐阜・西美濃の霊山
編集部独自調査!クールポイント
■ 標高1377m
山頂の気温はふもとよりも8~10℃低い!
■風が強く、クールダウン!
山頂は遮るものがなく風が強いため、体感温度はさらに下がる!
伊吹山は、岐阜県と滋賀県の境に位置する標高約1377mの高峰。冬の積雪量は非常に多く、1927年には11.82mを観測し、有人観測史上世界一位のギネス記録を保持しています。
一方、夏には山頂周辺がお花畑や草原で覆われる別世界に様変わりし、全国から多くの人が訪れる人気の観光スポットになっています。ふもとから挑む登山者も少なくありませんが、頂上近くまで続くドライブウェイを利用できることが人気の秘密。車で一気に9合目(1260m)までたどり着けるため、子どもからお年寄りまで、家族で楽しめるレジャースポットとなっています。
伊吹山山頂部は滋賀県の琵琶湖国定公園の特別保護区で、史跡名勝天然記念物にも指定されています。見どころのひとつは、まずは種類豊富なお花畑。山頂周辺では、7・8月には自然なお花畑が広がります。涼しい風が吹く中で、散策を楽しみましょう。
一方、山頂からのパノラマも見どころのひとつ。周りには伊吹山より高い山がないため視界を遮るものがなく、 東には濃尾平野、西には琵琶湖や比良山系、南には鈴鹿山脈や伊勢湾、北には白山、穂高連峰、乗鞍岳、御嶽山などの日本アルプスの山並みまで、360度の大パノラマを満喫できます。
山頂にはお寺や神社、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の像が佇み、山頂駐車場には観音像や芭蕉碑などがあることからも分かるように、この地は古くから霊山として人々の信仰を集め、愛されてきた山です。
280種の薬草も含めて、約1300種の植物が生きる伊吹山
伊吹山は多様な植生も注目すべきポイント。お花畑が広がる山頂一帯には約350種、伊吹山全体では約1300種の植物(シダ植物以上の高等植物)が分布しており、このうちの280種は薬用植物といわれています。
伊吹山は古くから「薬草の宝庫」として有名な山で、戦国時代には、織田信長がこの地に薬草園の開設を許可していました。現在、山頂駐車場にある売店には薬草を使ったソフトクリームやお土産などが並び、人気商品となっています。
体力に合わせた3つの登山道から楽しもう
9合目の駐車場から山頂へとつながる登山道は3本(1本は下り専用)あります。夏にはどのコースでもお花畑を楽しむことができるので、体力や好みに合わせて選びましょう。服装は、西登山道と中央登山道はズボン、スニーカー程度で大丈夫ですが、東登山道では登山靴を履き、軽装は避けましょう。また、山頂はふもとより8 ℃ 〜10℃ほど気温が低く、天候も変わりやすいので、1枚上着を持っていきましょう。
【西登山道】
ビギナー向けのんびり散策コース
山頂まで片道1km、約40分のなだらかコース。山頂駐車場の突き当たり(西側)が登山道の出入口です。道幅が広く傾斜も緩やかなため、体力に自信がない人にもおすすめ。お花畑や迫力ある眺望を楽しみながら、のんびりと散策できます。眼下には琵琶湖を一望でき、湖中に浮かぶ竹生島、沖島や、平野部に蛇行する姉川を眺めることができます。足元はこぶし大~頭大ほどの石が敷かれている所が多いので、歩きやすい靴は欠かせません。例年7月下旬頃から8月上旬頃は、赤い花が可憐なシモツケソウなどのお花畑も楽しめます。
【中央登山道】
急傾斜の階段が続く時短コース
山頂までは片道500mの階段コース。山頂駐車場のほぼ中央にある石段の右手に出入口があります。距離は3本ある登山道の中では最も短く、片道約20分の時短コース。西登山道に比べると勾配が急になるため、コースのほとんどが階段状になっています。登山道の道幅は広いものの、傾斜がきつく、石灰岩の露出している場所も多くあるので、歩きやすい運動靴がおすすめ。下界の眺望は望めませんが、さまざまな花や草木を観察することができます。
【東登山道】
険しい下り専用コース
山頂から片道1.5km、約60分の下り専用コース。むき出しの岩が多いデコボコ道など、最も自然のままの状態を楽しめるワイルドな登山道です。コースの途中には岩が露出しているところが多く、道幅も人がすれ違いにくいほど細いところが何箇所もあります。土の部分は雨が降るとぬかるんですべりやすく、また、石灰岩がゴロゴロ露出しているので、登山靴がおすすめ。山頂の入口付近から奥に進むにつれて道が険しくなるので注意が必要です。植生は豊かで、このコースでしか見られない花もあるため、通好みのコースといえるでしょう。
伊吹山の日本武尊(ヤマトタケルノミコト)伝説
日本武尊は「古事記」に登場する武神。今から2000年ほど前、伊吹山の荒ぶる神の話を聞いた日本武尊は、これを鎮めるために素手で伊吹山へと向かいました。
山中で大きな白い猪と出会い、それを神の使いと勘違いした日本武尊は、猪を侮ります。しかし、実はこの猪こそ伊吹の荒神自身でした。怒った荒神が大氷雨(雨と霧)を降らせたため、日本武尊は命からがら下山しますが、後に死に至りました。
「日本書紀」では、猪ではなく大蛇が伊吹山の神の化身として描かれていますが、いずれにせよ、これは当時の人々がそれほど伊吹山を畏れ敬っていたことを物語る神話です。山頂にある日本武尊像は、この伝説を偲んで建てられました。
スカイテラスで眺望を楽しみながらゆったりティータイム
山頂駐車場の奥に位置する「スカイテラス伊吹山」では、お茶や軽食を楽しんだり、お土産を購入したりと、山登りの前後にゆったりとした時を過ごせます。
一番人気は、揚げたてのかき揚げを添えた「伊吹山そば」。伊吹山は日本そば発祥の地といわれています。この他、伊吹山の薬草を使った「伊吹薬草ソフト」や「伊吹山よもぎまんじゅう」、伊吹の文字の形をした伊吹山限定オリジナル「イブキヤマチュロス」なども人気メニューです。
オープンテラスからは琵琶湖や西登山道を一望できます。ゆったりと景色を眺めながらコーヒーブレイクするのも、また贅沢な時間です。
【伊吹山で星空散歩】輝く満天の星や流星群を楽しむ夜
伊吹山ドライブウェイのオールナイト営業日は、美しい星空や流星群などの観賞チャンスです。 日没から約90分は山頂駐車場で星空解説(天候不良時は中止。予約不要)もあります。
おすすめは、3大流星群のひとつ「ペルセウス座流星群」。2023年、もっとも多くの流星が見られるのは8月14日の夜明け近く。11日夜~1 4日夜までは比較的多くの流星群を観測できると予想されています。
また、明け方のご来光や雲海も見逃せません。明るくなったら、山頂周辺のお花畑や360度の大パノラマも満喫しましょう。
【伊吹山ドライブウェイのオールナイト営業日】
7・8月の金・土・祝日の前日 ※ドライブウェイはオールナイト営業
山頂近くまで一気にドライブ
伊吹山
イブキヤマ
岐阜県不破郡関ケ原町大字関ケ原字寺谷1586(伊吹山ドライブウェイ入口)
アクセス:【バス】JR「名古屋駅」「大垣駅」「関ケ原駅」「米原駅」より、期間限定で登山バス運行
【車】名神高速道路「関ケ原IC」より国道356号線を北へ約5分で伊吹山ドライブウェイ(有料)入口。山頂駐車場まで17㎞ ※伊吹山ドライブウエイの営業期間は4月第3土曜~11月最終日曜
0584-43-1155(伊吹山ドライブウェイ)
【道路】春季(4月第3土曜~7月第3金曜) 8時~20時、夏季(7月第3土曜~8月)3時~21時、秋季(9月)8時~20時、秋季(10月~11月最終日曜)8時~19時 ※通行料金:軽乗用車・普通車3,140円、自動二輪車(126cc以上)2,200円
期間中(4月第3土曜~11月最終日曜)無休
山頂駐車場 有(無料)
https://www.ibukiyama-driveway.jp/
この記事を書いた人
SAKURA編集部_Keiko.Hです!新しい何かを見つけたとき、誰かと出会ったときの”感動”が好きです。皆さまが小さな感動、大きな感動とたくさん出会えますように、コツコツ情報発信をしていきたいと思います。
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