岐阜県|旬の食材|
ベビーパーシモン|皮も丸ごと食べられる小さな柿

旬の“おいしい”をレポート!
☆10月の食材☆

ベビーパーシモン

取材産地/岐阜県本巣市

縄文時代、弥生時代、日本で古来から存在していた柿。品種も多く、岐阜県の特産物「富有柿」は明治30年代頃に品評会に出され、日本全国内に広く知られるようになった。岐阜県内では西村早生、早秋、太秋といった品種、果宝柿、天下富舞などのブランド柿の生産をしている。

岐阜県本巣市/ベビーパーシモン(©️SAKURA編集部)

手間暇かけて丁寧につくりあげる柿

新潟県佐渡で突然変異によって生まれた品種ベビーパーシモンは、直径3センチ、平均 25グラムほどの小さな柿。観賞用だった柿を食用にできないかと、岐阜県農業技術センターで技術開発が行われ、2013年から本格的な生産が始まりました 。

生産地は本巣市を中心に、揖斐川町や瑞穂市など。木の枝に鈴なりに実り、一つひとつ状態を見極めながら収穫をします。ベビーパーシモンは渋柿のため収穫後に渋抜きをしますが、一般的な柿の渋抜き方法では甘くなりません。育つ環境などでも異なるため、これまでに各生産農家で試行錯誤をしながらベストな方法を探り続けてきました。それぞ れの方法で渋抜きをしたベビーパーシモンが出荷されています。

出荷は9月から10月中旬まで行われます。パック詰めされた商品は料亭や量販店、地元直売所で販売されます。また、大垣市や名古屋市の和菓子店にも出荷され、そのままの形をいかした和菓子として販売され、多くの方に喜ばれています。

小さいだけでなく、種無しで皮が薄いため、丸ごと食べられるのが特徴。熱を加えると渋みが出てくるので、そのままの生食がお勧めです。

今年は夏の長雨にも耐え、品質の良いベビーパーシモンが販売されています。生産者が少なく、 まだまだ希少な柿です。柿農家の技術と研究が凝縮されたベビーパーシモンを見かけたら、ぜひ口にしてみませんか。

色づく前のベビーパーシモン(©️SAKURA編集部)
良質なベビーパーシモンが鈴なりに実った。生産量が減少した昨年と比べ、今年は増加が見込める(©️SAKURA編集部)
渋抜きがされたベビーパーシモンを選果機にかけ、大きさを揃える(©️SAKURA編集部)
収穫時期は大勢のスタッフで出荷準備(©️SAKURA編集部)
手作業で丁寧にパック詰めされた商品(©️SAKURA編集部)
丸ごと食べられるベビーパーシモン(©️SAKURA編集部)

ヘタまで美しいベビーパーシモン

丸々、ツヤツヤとした形はもちろん、加藤さんはヘタの良さも大切にしており、収穫や渋抜き時も丁寧に柿を扱います。贈答用にも嬉しい、貴重な柿です。

岐阜県園芸特産振興会果樹部会 柿専門部名誉顧問の加藤泰一さん(©️SAKURA編集部)

生産者紹介

岐阜県園芸特産振興会果樹部会 柿専門部名誉顧問
加藤 泰一さん

柿づくり50年以上の加藤泰一さん。農園では富有柿をはじめ、研究や他産地の視察を重ね、袋掛け富有柿の「果宝柿」といった新しい柿ブランド作りにも挑戦しています。
2014年から出荷をしているベビーパーシモンは徐々に生産面積が広がり、現在は10アールまでに。独自の渋抜き方法で高品質のベビーパーシモンを出荷しています。

取材協力/岐阜県園芸特産振興会果樹部会柿専門部、JA全農岐阜 園芸販売課
058-276-5305 (JA全農岐阜 園芸販売課)

※情報はページ上の更新日現在のものです。取材時と一部内容が異なる場合があります。

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SAKURA編集部_Akiko.Iです!地元の美しい風景、四季の移り変わり、ワクワクなイベントを探求、発掘していきます。

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