旬の“おいしい”をレポート!
☆2024年8月の食材☆
なす
取材産地/海津市
なすの豆知識
ナス科ナス属インド原産
日本へは奈良時代頃に中国から伝わりました。正倉院の文書に「なすを献上した」との記載がある。主流は中長なすだが、日本各地では特徴のあるなすが栽培されています。京都の賀茂なすや山形の民田なすといった丸なす、九州では長めのなすが栽培されています。
焼いても煮てもおいしく食べられる万能野菜。愛情を込めて丁寧につくられる、みずみずしいなすです
岐阜県では西美濃、東美濃、高山市など、夏秋なすが各地で栽培されています。その中で、海津市は最も早く出荷が始まる産地です。定植を4月下旬頃に行い、収穫は5月末〜11月まで、長期間に渡って行われます。
JAにしみの海津茄子部会の部会長、伊藤宗人さんのほ場では、シーズン中、1本の枝で100本のなすが収穫できるとのこと。そのどれもが長くて太い立派ななすです。伊藤さんは木や枝の様子、花のつきかた、実の成り方を観察し、水や肥料の調整を行っています。土づくりも大切にされており、土自体の成分はもちろん、作業通路となる畝と畝の間に藁を敷き詰め、土の温度が安定するためと、土を踏みつけて硬くならないようにするためという丁寧な仕事ぶり。
伊藤さんをはじめ、部会のみなさんが品質向上のためにと、手間を惜しまずつくっているからこそ、濃紫色で艶のある皮で水分をたっぷり含んだ、存在感のある立派ななすができるのです。海津市の夏秋なすは皮も果肉もほど良く柔らかいため、さまざまな料理に使うことができるのも特徴。焼きなすや炒め物、天ぷらのほか、6月に行われた地元小学生の収穫体験では、味噌汁や漬物、グラタンなどの声もありました。
海津市ではハウス栽培と露路栽培の両方が行われていますが、どちらも夏の暑い中での作業になります。暑さにも負けず、生産者のみなさんは「おいしいなす、いいなすを作りたい」という思いで、品質の揃えたなすを市場へ出荷されています。
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夏秋なす生産DATA
出荷量/約35トン
作付面積/約60アール
部会員/4名
主な出荷先/岐阜市場
栽培スケジュール/4月[定植]→5月下旬〜11月[収穫]
(JAにしみの海津茄子部会・令和5年実績)
生産者紹介
JAにしみの海津茄子部会 部会長
伊藤 宗人 さん(なすびや)
18歳で就農、約50年間、なすの生産に携わってきました。就農当初は冬春なすの栽培を行い、現在は夏秋なすが中心。とはいっても、通常、海津市では4月に定植を行うところ、伊藤さんのほ場ではハウスを利用し、2月中旬に定植をはじめ、3月末には収穫ができる半促成栽培を行っています。2017(平成29)年にはなすの飛騨美濃特産名人に認定されました。伊藤さんのおいしいなすを作る秘訣は「声をかけながら、なすがどうして欲しいか考えながら作ること」です。
取材協力/JAにしみの海津茄子部会、JAにしみの海津集出荷センター、JA全農岐阜 園芸販売課
058-276-5305 (JA全農岐阜 園芸販売課)
地元小学生が収穫体験!
6月下旬、海津小学校3年生の児童約70名が伊藤さんのほ場でなすの収穫体験をしました。「どんな場所で育っているのかな?」「どうやって作っているのかな?」という目線で収穫することで、農業にふれる学習をしました。
この記事を書いた人
SAKURA編集部_Akiko.Iです!地元の美しい風景、四季の移り変わり、ワクワクなイベントを探求、発掘していきます。
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