名刹の本堂や山門を精巧に再現!岐阜市の男性が刺繍ミシンで制作
岐阜市弥生町の鈴木順智さん(75)が観音菩薩を祀る「西国三十三所」を撮影した画像を刺繍で表現した作品33点を同市の大智寺の参道に展示。華厳寺の山門や那智の滝を背景にした青岸渡寺(和歌山県)など、いずれも写真と見間違うほどの精巧な作品でした。
趣味で刺繍ミシンを使って制作に取り組む鈴木さんは「簡単に撮影、消去できるデジタルカメラがある現代に、手間を掛けて残るものを作っていくことは貴重で面白さがある」と話しました。
刺繍データを入力、20~40色の糸で制作
鈴木さんは5年前から、揖斐郡揖斐川町の華厳寺と、近畿2府4県に点在する33の寺院を巡礼。本堂や山門のほか、参道などを撮影してきました。鈴木さんは「寺が改装中で引き返したことや雨で撮影できず、数回足を運んだ所もありました」と話す。
以前、ソフトウェア開発会社を経営していた鈴木さんは、画像処理の経験があり、自宅の刺繍ミシンで制作しました。撮影した画像の色をパソコンで処理。それぞれの色が、どの糸に適すのか分類した刺繍データを作り、刺繍ミシンに入力して制作しました。「一つの作品に20~40種の色の糸を使いました」と鈴木さん。
作品はひさしの下、木々の陰影や、建物の1本1本の梁を表現するなど、いずれの作品も巧みに描かれていました。来場者は「まるで写真のよう」と驚きながら作品に見入っていました。
病気療養中に刺繍を始める
鈴木さんが刺繍ミシンで作品を作るようになったのは10年ほど前。がんを患い、自宅療養中に「暇だったから」と、会社経営時代に購入したものの使わずに置いてあった刺繍ミシンを動かした。
「口裂け女が夜、病院のナースステーションに現れた」という奇想天外なテーマで制作した作品を、通院中の看護師たちに見せたところ大好評だったといいます。「刺繍で結構なものが作れる。人がやらないことをすることは面白い」とミシン刺繍に取り組むようになったそうです。
飛騨市で個展を開く
今年、元旦の能登半島地震の後、かつて能登地方で撮影した風景写真などを基にした作品や岐阜・愛知県境の野麦峠をテーマにした作品の展示会を飛騨市古川町で開いたそうです。
鈴木さんは「昔からある文化的なものを描き、刺繍という形で残したい。針に糸を通せるまでは制作を続けていく」と語りました。
この記事を書いた人
SAKURA編集部の_Gouji.Nです。
高校野球などスポーツ観戦やお笑い、ラーメンが大好きです。愛する地元岐阜を駆け巡って、読者の皆さんに楽しい話題をお届けしたいです!
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