体のつくりをじっくり観察できて、美しさやたくましさを感じられる昆虫標本展示
昆虫がもっている魅力を伝える手助けをしているのが「名和昆虫博物館」
約1000種、3500頭の昆虫を展示している博物館。歴史は長く、明治29年に設立された名和昆虫研究所の付属施設として1919年(大正8年)に開館されました。チョウ、カブトムシ、クワガタムシといった身近な昆虫を中心に、標本が展示されています。よく見ると体のつくりが異なっていたり、生息地によって大きさが異なっていたり、種によってさまざま。それぞれの昆虫の魅力が引き出されるような展示がされており、興味深く見学することができます。
自分で蓋を開けて展示を見る「隠れ展示シリーズ」や「クイズコーナー」があり、ドキドキ、ワクワクしながら昆虫がもっている美しさや力強さといった魅力にどんどんのめり込まれていくでしょう。「さらに魅力が伝えられるように」と、ここ一年でカブト・クワガタコーナーがリニューアルされています。
常に展示の入れ替えや解説コメントをブラッシュアップさせながら、昆虫がもっている魅力を伝える手助けをされている「名和昆虫博物館」。現在の館長 名和哲夫さんは「入る時は興味なかったけれど、面白かったと思いながら帰ってもらえれば本望。嫌いな昆虫を好きになってくれれば。もし、つまらなかったという感想があれば、それは私たちの力不足です」と。もしかしたら、昆虫は苦手なのに子どもや仲間のお付き合いで入館した人も、いつのまにか昆虫の不思議さや魅力に取りつかれてしまうかもしれません。
昆虫の不思議な魅力を知って昆虫目線で自然を見てみよう
館内を見学しながら、昆虫の美しさや力強さ、不思議を感じることができたら、なぜその体のつくりをしているのか、なぜその環境に生息しているのか考えてみませんか。私たちは自然やいきもののことを知ろうとする時、ついつい、人間の考えや社会の価値観による目線になりがちですが、昆虫の価値基準で物事を考えると人を客観的に見ることができます。昆虫目線で自然の楽しさを知ることで、命や人を知ることにつなげることができます。
ギフチョウが教えてくれる春の訪れ
ギフチョウは初代館長の名和靖さんが発見したチョウです。
例年、ギフチョウは岐阜市では3月20日過ぎから羽化が始まり、4月中旬頃まで飛ぶ姿を見ることができます。名和昆虫博物館では動いているチョウを覚えてもらい、自然の中でギフチョウを認識してもらいたいとの思いから、2月頃、野外で保管していたサナギを室内に入れ、羽化を早め、3月上旬からケース内で生きたギフチョウの姿を展示しています。2023年は3月1に羽化しました。生きたギフチョウはゴールデンウィーク頃まで展示される予定です。
ギフチョウの羽化は桜の開花より少し前に羽化します。ギフチョウの姿を見たら、その地域の春の訪れを感じることができます。
日本で最も長い歴史がある現存する私設の昆虫博物館
名和昆虫博物館
ナワコンチュウハクブツカン
岐阜県岐阜市大宮町2-18
アクセス:【車】東海北陸道「岐阜各務原I.C.」より約20分
【公共交通機関】JR「岐阜駅」または「名鉄岐阜駅」より岐阜バス乗車、「岐阜公園歴史博物館前」バス停下車、徒歩1分
058-263-0038
10:00~17:00
火曜・水曜・木曜
祝日の場合は開館、春休み期間は無給ですが、3/28〜3/31は休館
大人 600円/小人 400円
岐阜公園駐車場を利用(有料)
http://www.nawakon.jp
この記事を書いた人
SAKURA編集部_Akiko.Iです!地元の美しい風景、四季の移り変わり、ワクワクなイベントを探求、発掘していきます。
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