和紙職人の伝統を継承「水うちわ」水に濡らし仰いで涼感を♪
水うちわDATA
美濃和紙職人の漉く和紙を素材に開発されたブランド「カミノシゴト」。「日本の伝統的な素材の再認識と職人ブランドの構築」という名目で、グッドデザイン賞を受賞!
岐阜県岐阜市・金華山のふもと、岐阜公園より西へ少し離れた場所にある『家田紙工株式会社』。明治23年より岐阜提灯で使われる美濃和紙の加工販売に携わり、絵付けを主とした刷り込み(ステンシル)、シルク印刷、フレキソ印刷など手掛けられています。
『家田紙工』と「カミノシゴト」のつながり
2002年~2006年新宿OZONEにて開催された「カミノシゴト」展は、佐藤眞富さんをプロデューサーとして美濃和紙職人たちとデザイナーチームで始められた企画展。この企画展は2006年「日本の伝統的な素材の再認識と職人ブランドの構築」という名目で、グッドデザイン賞を受賞しました。その後美濃市内に店舗「カミノシゴト」として運営開始。2012年より『家田紙工株式会社』が運営主体となりました。
匠の技が光る伝統工芸品を次の世代へ、いにしえから今に引き継ぐべき「美濃和紙」の伝統技術を、何かのかたちにしていく試みです。
「カミノシゴト」のものづくりは、そんな想いからスタートしたといいます。和紙に魅せられ、惚れ込んだ家田さんに美濃和紙で作られた『水うちわ』についてお話を伺いました。
長良川の川文化から生まれた『水うちわ』
『水うちわ』とは、うちわを水に濡らし仰ぐことにより、その気化熱を利用し涼を楽しむものです。長良川の川遊びから生まれた工芸品を「カミノシゴト」は、新たに開発されました。
『水うちわ』の主材料は、すべて国内産。竹でできた骨に雁皮紙を張り、天然のニスを縫って仕上げられています。光に透かすと半透明で光沢があり、絵柄が浮き上がる『水うちわ』は、他では見られない美しさです。
その『水うちわ』の原材料の一つである雁皮紙は、防虫、防湿性の高さから「紙王」と呼ばれ、現在でも文化財の補修や金箔、銀箔の台紙などに使用されています。雁皮紙の製造は、美濃和紙作りの中でも非常に難しく、素材集めをはじめ製造工程に至るまで、特別な知識が必要とされ、限られた和紙職人でしかできない技術だそうです。
そんな貴重な雁皮紙で作られる『水うちわ』は、すべて手作業による生産のため長い製作日数がかかり、1年間の生産量も2,000本ほどと限られます。
本美濃紙は、2012年ユネスコ無形文化遺産に登録
本美濃紙とは、美濃和紙の中でも厳選された材料と特別な作業工程により生産された極上の和紙。その薄く均一な素材は、国内のみならず海外からの評価が高いです。アメリカ スミソニアン博物館、フランス ルーブル博物館、イギリス 大英博物館などが所蔵する古文書、絵画の修復に使用されています。
「カミノシゴト」は、手漉きの美濃和紙の特徴を活かした生活雑貨やアクセサリーなどを考案し展開しています。
窓ガラスに貼れる美濃和紙のモチーフは、しっかり乾燥させて丁寧にはがし保管すれば、何度でも使用できます。美濃和紙だからできる、丈夫さと素材の美しさに、見とれてしまいます。
Origami Jewel は、本美濃紙を折ってできたアクセサリー。
ピアス、イヤリングは、軽くつけていることを忘れるぐらいだそうです。
いかがでしょうか?
岐阜が誇る伝統工芸品「美濃和紙」が身近に感じられますね。手に取り、身につけることによって、心が豊かになること間違いないですね。
今後は、海外を視野に入れた行燈の製作をラインナップし展開される予定だそうです。
スマホにも使用されている電源コードの活用で、世界へ発信します。
1,300年の歴史を持つ美濃和紙作りの技術を今に生かす「カミノシゴト」。
『水うちわ』を透かし眺めてみると、その丁寧な手仕事の美しさに癒されます。
岐阜・手漉きの美濃和紙を作る職人の想いを見つめる家田さんのまなざしは、とてもやさしく尊いのを感じました。
次世代につながる本物の美濃手漉き和紙と関連商品作りをプロデュース
家田紙工 株式会社
イエダシコウ カブシキガイシャ
岐阜県岐阜市今町3-6
058-262-0520
https://www.iedashikou.com/
Kaminoshigoto
info@iedashikou.com
この記事を書いた人
SAKURA編集部の_Yumi.Sです。
趣味は、水泳、読書など。地域に根差した役に立つ情報をわかりやすく、お伝えできたらと思います♪
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