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株式会社 Hikarie（ヒカリエ）

１ミリも劣等感を抱かず、社会へ送り出したい 人間力磨き、子どもたちを支援

おしゃれなカフェのような外観に明るい室内。障がいがある子どもたちが通うヒカリエの放課後等デイサービス（放課後デイ）などの建物です。これまで一般的だった福祉施設のイメージを覆すポップな建物で児童・生徒を迎え入れ、福祉事業を展開しています。長年、特別支援学校で教諭を務めた纐纈智宏社長が2021年春に仲間と創業しました。

纐纈社長は教諭時代に、生徒の引率で福祉事業所などへ実習に行った際、強い違和感を覚えたといいます。「どことなく手狭で暗い雰囲気。健常者なら通うのに抵抗があるような環境でした」。その強い思いから「子どもたちが自信を持って楽しく通え、友達に自慢できる建物にしたかった。また、社会に啓発する目的もありました」と纐纈社長は話します。

40歳の時、教員を辞めて起業し、21年に放課後デイを2施設設立。纐纈社長は「多様な子どもたちと向き合うには、AI（人工知能）ではできない人間力が大事」という姿勢で取り組んでいます。現在は児童発達支援事業所、放課後デイの4事業所、つまずきのある子ども対象の学習塾を構えるまでに拡大。約130人の定員を満たしており、2025年4月には新たに5事業所目を開設する予定です。

全ての事業所が一つの場所に集中しているのが特徴で、「密に全スタッフでミーティングができ、指導方針が徹底できる。惜しみなく特別支援教育とは何かを伝え、より専門的な支援を目指しています」と纐纈社長。また、スタッフは前職で人間関係に悩んでいた人も多いようで、「本質とは違うところにエネルギーを使うことは何も生産性がない。先生自身が楽しむことを意識している」。それが子どもに伝わるという方針を共有しているそうです。スタッフの水野由莉菜さんは「スタッフはみんなやりがいを持って仕事に打ち込んでいる」と話します。

纐纈社長は「障がいは関わる相手で大きくもなり小さくもなる。子どもの成長と同じくらい周りの人が障がいに対して理解を深めることが大切である。私たちのサービスの切り口を発信して社会に認知、共有してもらいたい。遅れているといわれる障がい福祉業界を変えていきたい」と語りました。