今、知っておきたい!
【岐阜・名古屋】令和6年版 地震への備え・防災

令和6年度元日に発生した能登半島地震は、岐阜・名古屋でも大きな揺れを感じる大地震でした。岐阜・名古屋エリアでは、他にも巨大地震の影響を受ける可能性が指摘されています。いざというときに自身と大切な人の命を守れるように、今、地震対策を見直してみませんか。
【取材協力】岐阜県防災課、名古屋市防災危機管理局

Contents

岐阜・名古屋に迫る地震とは?

①南海トラフ地震

岐阜・名古屋エリアで、昨今もっとも危惧されているのは南海トラフ地震です。南海トラフとは、静岡県の駿河湾から四国沿岸、九州東方沖まで続く深さ4000mの巨大なプレートの境界のこと。このエリアでは約100年~150年に一度、大地震が繰り返し発生しており、今後30年以内にマグニチュード8~9クラスの巨大地震が起きる確率はおよそ70~80%とされています。

【南海トラフ地震の想定震源域】東側と西側で時間差で巨大地震が起きるケースも過去に報告され、大地震は一度では終わらないとも言われている(©SAKURA編集部)

南海トラフ地震が発生した場合、岐阜県美濃地方では 最大震度6弱が予想されています。また、強い揺れが3~4分続くことにより大きな被害が発生する可能性もあります。愛知県名古屋市では震度6弱・6強の地域が大きく広がり、港区をはじめとした一部地域では震度7も予想されています。また、3mを超える津波も想定され、被害はより甚大になると考えられています。気象庁より「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」(注1)が発表された場合には、ただちに地震に警戒する対応をとりましょう。

(注1)南海トラフ地震臨時情報とは、南海トラフの想定震源域内の一部の領域で大地震が発生し、残りの領域で大地震発生の可能性が高まったと評価された場合に、気象庁から発表される巨大地震警戒の情報です

【日本周辺のプレート】日本が世界でも有数の地震多発地帯となっているわけは、複数のプレートが集まり、複雑な力がかかっているためである(©SAKURA編集部)

②内陸直下地震

なお、地震はプレートの境で起こるものばかりではありません。岐阜県には100を超える活断層が密集しており、県内のどの地域においても震度6強以上の内陸直下地震が発生する可能性があります。活断層とは、過去に繰り返し活動し、今後も再び活動すると考えられる断層のこと。この地震の発生間隔は数千年程と長いため予想は難しいものの、いざ起こると甚大な被害を及ぼす可能性があります。例えば、養老︱桑名︱四日市断層帯、揖斐川︱武芸川断層帯(濃尾断層帯)、長良川上流断層帯で直下型地震が発生すると岐阜県内では最大震度7と予想されています。このような地震に備えるには 、常日頃からの地震対策が大切になります。

(©️SAKURA編集部)

地震だ!その時どうする?

突然、携帯電話で緊急地震速報が鳴り響き、グラグラと揺れる巨大地震。恐怖で立ちすくんでしまうかもしれませんが、身を守る行動は緊急地震速報、地震発生直後から迅速にしていく必要があります。とるべき行動をチェックしておきましょう。

とるべき行動チェック!地震発生からのタイムスケジュール

緊急地震速報  地震発生

 【自宅など屋内にいるとき】
□身構え安全を確保する
□丈夫な机の下に隠れる

□窓ガラスや倒れそうな家具から離れる
□子どもや高齢者のサポートをする
□戸を開けて、出口を確保する
□家族同士、声を掛け合う
【屋外にいるとき】
□ブロック塀や電柱、自販機など、倒れそうなものから離れる
□落下物に注意して、バッグなどで頭を保護する。

まずは身構え安全を確保。丈夫な机の下に隠れる

揺れが収まったら

□火の始末をする。火災発生の場合は消火活動
□家屋等を確認し、避難が必要か判断する

□テレビ・ラジオ等で情報収集
□隣近所の安否確認
□避難用の持ち出し品を準備
□余震に注意し、倒壊しそうなものに近づかない

揺れが収まったら、テレビ・ラジオ等で情報収集

避難開始

□ガスの元栓を閉め、電気ブレーカーを切る
□沿岸部では津波に備えて安全な場所に避難する

□外出している家族に張り紙等で避難場所を知らせる
□非常持ち出し袋を持って避難
□倒れそうな家屋やブロックには近づかない
□近所の避難行動要支援者の避難をサポート

避難開始時は、非常持ち出し袋を持って避難

注意したい!地震後の二次災害

■火災
コンロやストーブなどを使用しているときに地震が発生すると火災の危険性が高まります。また、地震後、停電から復旧した時に起きる「通電火災」も非常に多いため、感震ブレーカーの設置や 、避難時にはブレーカーを切ることなどを徹底しましょう。

■津波
地震により海底の地形が変化して発生。地震の震度と津波の高さは関係なく、小さな地震でも津波がくる場合があります。また、内陸部でも、津波が河川をさかのぼって浸水被害が起きる場合もあります。

■液状化
地震の揺れによって砂粒が相互にかみ合っていた状態がはずれ、土が泥水化する現象。水分を多く含んだ砂質の地盤で発生し、噴砂や地盤沈 下を伴 います 。埋め立て地や 低湿地、造成で盛り土をした場所などでも要注意。

■帰宅困難
大地震が発生すると、公共交通機関は運行を停止します。その結果、駅は帰宅困難者であふれ、皆が一斉に移動することで事故などの危険性も高まります。安全な場所で待機することも大切です。

■ライフラインの寸断
地震により停電や都市ガスの停止、水道の断水などが起こると、電気やガス、水道などのライフラインが使えなくなります。復旧まで日数がかかる場合もあり、日頃の備えが役立ちます。

■原子力災害
災害や事故によって原子力発電所から放射性物質が漏れると、放射性物質は雲のようなかたまりとなって風下に拡散されます。※岐阜県の近くの原子力発電所は、県境から約25㎞の地点に敦賀発電所が、約28㎞の地点に美浜発電所と「もんじゅ」があります

備えは大丈夫?地震への備えを今一度チェックしてみよう

☑ 家具の固定
地震で揺れたときに家具の下敷きなどにならないように、家具の転倒防止対策を施しましょう。

☑ 水や食料の備蓄
家族全員が3日程度過ごすことができる水や食料を備蓄しておきましょう。できれば1週間分を備えることがおすすめ。

☑ 非常用持ち出し袋の準備
命をつなぐための食料や水、常備薬のほか、貴重品、防災用品、衛生用品、コンタクトレンズの予備など、多岐に渡ります。また、枕元にはメガネや懐中電灯、スリッパ、軍手、ホイッスル、冬場なら防寒着なども置いておくと安心です。

☑ 感震ブレーカーの設置
地震後に多く発生する「通電火災」を防ぐために、感震ブレーカーを設置しましょう。強い地震を感知すると自動的にブレーカーを落とす装置です。

☑ 避難場所や避難経路の確認
指定緊急避難場所や指定避難場所の位置、地域のハザードなどを確認し、避難経路を決めておきましょう。

☑ 家族との安否確認
災害用伝言ダイヤル「171」や災害用伝言版サービスなどを確認しておきましょう。

☑ 建物の耐震化
昭和56年以前に建てられた建物は、古い耐震基準で建てられているため、大きな地震で倒壊する危険性が高いと言われて
います。耐震化を進めましょう。

☑ 災害情報アプリ・SNSをダウンロード、フォロー
在住の市町村や県などが発信する災害情報を日頃から入手できるようにしておきましょう。
【例】X(エックス):岐阜県危機管理部 @gifukenkiki

震度7の揺れを体験してみよう『岐阜県広域防災センター』

リアルな体験で防災意識を高める『岐阜県広域防災センター』。地震体験や消火器の操作体験、備蓄館見学、避難所体験、濃煙迷路などの体験や、防災啓発パネル展示などを通して、防災知識の普及向上を目指す施設。誰でも無料で体験・見学ができます。

地震体験装置

濃尾地震など過去に発生した地震や、将来発生することが想定される南海トラフ地震など、最大震度7の揺れをリアルに体験してみよう。倒壊した街並みが出現するバーチャルウォールや、棚から食器が飛び出す様子を再現したからくりウォールなどでリアルな体験ができます。

岐阜県広域防災センター
地震体験装置(画像提供:岐阜県防災課)

濃煙迷路

建物内で火災が発生して煙が充満。視界が悪い状況で外に避難する訓練に挑戦しよう(人体に無害な煙を使用します)。

岐阜県広域防災センター
濃煙迷路(画像提供:岐阜県防災課)
岐阜県広域防災センター
館内には風水害、雪害、火山、林野火災、消防団について分かりやすく解説したパネルを展示(画像提供:岐阜県防災課)
岐阜県広域防災センター
感染対策とプライバシー保護を考慮した模擬避難所を設置。避難所における生活を疑似体験 (画像提供:岐阜県防災課)
防災知識の普及向上を目指す岐阜県の施設
岐阜県広域防災センター

ギフケンコウイキボウサイセンター

岐阜県各務原市川島小町2151(岐阜県消防学校敷地内)
アクセス:【車】国道21号線「三ツ池町」交差点から約6km(約15分) 【公共交通機関】各務原ふれあいバス北部・川島線「消防学校前」下車

0586-89-4182
9:00~16:30
土曜、日曜(第3日曜以外)、祝日、月曜 ※開館日は火曜~金曜、第3日曜
無料
https://www.pref.gifu.lg.jp/
※濃煙迷路の体験や、10名以上の団体で来館する場合は、必ずインターネットまたは電話での事前予約をお願いします。予約はこちらから https://logoform.jp/

※情報はページ上の更新日現在のものです。取材時と一部内容が異なる場合があります。

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この記事を書いた人

Sakura編集部_Keiko.H

SAKURA編集部_Keiko.Hです!新しい何かを見つけたとき、誰かと出会ったときの”感動”が好きです。皆さまが小さな感動、大きな感動とたくさん出会えますように、コツコツ情報発信をしていきたいと思います。

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